ども、またたびです。
ここではミリオタ視点で「日本の戦争について学べる本」をまとめてます。
独断と偏見で3つのジャンルに分けてるんで、目次からどうぞ。
- 兵器解説
- 回想もの
- 考証・解説もの
おすすめ本は随時更新中。どれも良書なのでぜひ読んでみてね!
(リンクを踏んで購入すると、またたびにうまい棒1本くらいの小遣いがやれます)
1:兵器解説
その1:大砲入門 新装版
ジャンル:兵器解説
読んだ時期:2020-04
評価:良書。オススメ!
戦争遺跡などで火砲に興味を持った人にオススメ。
安心と信頼の光人社NF文庫です。
野砲や山砲はもちろん、機関砲に迫撃砲、果ては試作兵器まで「砲」ならだいたい載ってます。読み応えはバッチリ。機銃などの小火器は、さいごの方に少しだけ出てきます。
写真や図を中心に、制式化の過程や時代背景がまとめられているので読みやすく、初心者から中級者まで楽しめる良書。
「とりあえず」に最適な1冊。
2:回想もの
その1:一下級将校の見た帝国陸軍
ジャンル:回想もの
読んだ時期:2018-05
評価:必読。ぜひ読んで!
ある陸軍の砲兵下士官が、徴兵からフィリピンのルソン島で敗戦を迎えるまでを綴ったもの。著者の名前は山本七平。またたびが尊敬している作家のひとりです。
所属は近衛野砲連隊。作中では「日本の組織によくある、ダメさ加減・クズっぷり」を、これでもか、これでもかというほど痛烈に、しかし的確に批判しています。読んでて本当にひどかった…。とくに輸送艦の仮設便所の話、あれは凄まじかったです。
日本が負けた理由がよくわかる1冊。
その2:海上護衛戦
ジャンル:回想もの
読んだ時期:2018-08
評価:良書。オススメ!
著者は海軍の海上護衛総司令部、元作戦参謀。
当事者による海上護衛の実情が語られています。護衛用の駆逐艦を連合艦隊に取り上げられ、満足な行動が取れなかった輸送艦隊の現実を知ることができます。巻後半の「海没トン数一覧表」は一見の価値あり。
まぁ、日本軍によくある泥縄式のオンパレードですね。まっとうな意見が通らない日本でよくあるダメ組織の末期が綴られています。犠牲になる側はたまったもんじゃないですよ。
海上輸送について語りたいなら必読の1冊。
その3:情報なき国家の悲劇
ジャンル:回想もの
読んだ時期:2019-09
評価:必読。ぜひ読んで!
陸軍将校の回想録。
著者の堀栄三は、大本営の情報参謀。米軍の侵攻ルートを的確に予測したため「マッカーサー参謀」の異名をもつ。丁寧な情報分析は海外からも高く評価され、GHQに尋問された逸話も収録されています。戦後は陸上自衛隊に入隊し、後進の育成に尽力したそうです。
「情報をいかに扱うか?」という点において、時代が関係ないことを学べる1冊。現代社会はマスメディアやSNSにより情報があふれているので、個人的にはビジネス書としても全然アリかな、と思いました。
直接的な関係はありませんが、原爆投下を阻止できたかもしれない話が出てきます。
その4:零戦撃墜王
ジャンル:回想もの
読んだ時期:2018-06
評価:必読。ぜひ読んで!
日本が誇るエースパイロット岩本徹三の空戦録。
本人の死後、遺品整理で出てきた手記を元に出版。
著者は海軍所属の零戦乗りで、激戦地ラバウルで一騎当千の活躍をした人物。ミリオタの間では伝説となっているので説明不要でしょう。
日記形式でまとまっていて読みやすい。
初めての戦記物におすすめの1冊です。
3:考証・解説もの
その1:ノモンハンの真実
ジャンル:考証・解説もの
読んだ時期:2019-11
評価:良書。オススメ!
著者はなんと元・共産党員。
「わい、共産党やめたったわ」という驚愕の前書きから始まります。
冷戦崩壊で流出した旧ソ連のデータと、日本政府の公開情報を元にまとめられた労作。どちらかをひいきするわけでもなく、兵器の性能や当時の状況を突き合わせ、1つひとつ丁寧に検証していくタイプの良書。あと情景描写もそこそこよかったです。
日本陸軍に対する評価が変わる1冊。
「ノモンハン?戦術は勝って、戦略で負けて、歩兵が肉弾攻撃したらしいアレ?」という、にわかの自分でも十分に楽しめました。
その2:日本軍はなぜ満州大油田を発見できなかったのか
ジャンル:考証・解説もの
読んだ時期:2017-11
評価:良書。オススメ!
著者は総合商社で石油開発に携わっていた業界人。
満洲の大慶油田だけでなく、樺太のオハ油田での失敗や、水ガソリン詐欺事件(笑)など、けっこう広い範囲でまとめられています。
なんかタイトルで損してそうな感じがしました。じっさい満洲油田の特化本ではないので、わかりやすく「戦前日本のざんねんな石油事情 ~エネルギー政策失敗の歴史~」とかの方がよかったかも?内容はよいです。
戦前の石油事情に興味をもった人におすすめの1冊。
日米開戦なんていらなかったんや…
その3:失敗の本質 日本軍の組織論的研究
ジャンル:考察・解説もの
読んだ時期:2017-11
評価:良書。オススメ!
言わずと知れた名著。6名での共著なので、いろいろな切り口から読めるのがメリット。
近年の自己啓発ブームでビジネス本として紹介されているのを見かけます。ただ、戦前から敗戦までの流れがわかっている前提で話が進むので、知識ゼロの初心者にはちと厳しいかも。基本をおさえた中級者以上におすすめです。
たまに読むと、新たな発見や再考証ができる良書。
その4:日本軍兵士
ジャンル:考察・解説もの
読んだ時期:2018-07
評価:良書。オススメ!
名もなき一兵卒たちの実情をまとめた本です。
日本兵の死因の大半は、病死、餓死、溺死です。緒戦の華々しい陸戦や海戦の陰に隠れがちですが、戦場で散っていった無名兵士の実態を知ることができます。読んでいて本当に気の毒でした。
水木しげる、まどみちおなど、当時陸軍にいた人たちのリアルが垣間見れます。
その5:大本営発表
ジャンル:考察・解説もの
読んだ時期:2018-06
評価:良書。オススメ!
何かとネタにされがちな大本営の解説本。
大本営が結成されるまでの過程や、全体の組織構成についてまとめられています。陸軍の参謀本部に海軍の軍令部、それぞれの下位組織など、悪名高い「大本営発表」が生み出される流れを知ることができます。
兵器や作戦などに踏み込んだ本は多いですが、組織構成そのものを取り扱う本は少ないので意外と貴重な本かと思います。そこまで興味を持つ人も少数派でしょうしね…
上記にあげたような「情報なき国家の悲劇」などの回想録を読む時に役立つ1冊です。
まとめ
あげだすとキリがないので、とりあえずの10冊を選びました。
どれもこれも酷い話ばかりですが、現代の日本でも似たような状況を見聞きすることがあるんですよねぇ。「されど習慣は残った」というやつでしょうか。
以上、おすすめの本でした。